※内容はほぼ原文のまま掲載しています。内容は個人によるものです。また、PC等での文字入力が困難な場合もあり誤字脱字等ご了承ください。
発症したと思われる(2年半前)頃は、長年、宣伝・広告に関わる仕事をし、長時間のデスクワークを続けたことによる不調だと思っていました。
日によって痛みの出るところが変わっても、憂鬱な気分が続いても、「あぁ、ついに更年期がきたのかな」と気づかぬふりをしながら、整骨院やマッサージ店などに行き、その場をしのいでいました。
しかし、その日は突然やってきました。
シャワーが、突き刺さるように痛い。
食器を洗う水の勢いが、何かが刺さってくるように痛い。
関節が、皮膚を突き破りそうに痛い。
身体中の肉が、骨から引き剥がされそうに痛い。
身体が痛くて、ぐっすりと眠ることができない。
眠ったとしても、起床時には身体が痛くて起き上がれない。
これは、本当に更年期の症状なんだろうか?
管理職という立場上、今ダウンして大きな穴をあける訳にはいかないと思い、婦人科を受診しました。
しかし医師の口からは、「まだ更年期といえるホルモン状態ではないから、少し様子を見ましょう」と言われたものの、状態との乖離に疑念は大きくなるばかり。
憂鬱さや睡眠不足も増し、ついに糸が途切れました。
精神科を受診し、状態を説明したところ「うつ病」と診断されたのは、最初の違和感から一年が過ぎていました。
その後、憂鬱さや睡眠不足については、投薬で改善されてきましたが、痛みについてはさらに増していきました。
自分の症状をあらゆる単語に置き換え、検索した結果は、線維筋痛症。
患者さんのブログや他県のクリニックが書いた記事、友の会のサイトなど、あらゆる情報と自分の状態を照合しましたが、ほぼほぼ合致するものばかり。
そこで、通院中の精神科医に調べた内容を伝え、専門医に紹介状を書いていただきました。通院中の精神科医は、「病名と内容は理解しているが、医学的根拠がない痛み=精神疾患による疼痛と考えていて、別の病気という風には捉えていない」とのことでした。
友の会からご紹介いただいた医療機関ではありませんでしたが、別に専門医を受診しました。これまでの経緯、さまざまな検査結果、トリガーポイントの確認などを行ったうえで出た診断は、やはり線維筋痛症でした。
この結果にたどり着く頃には、歩行に杖が必要になり、仕事も退職せざるを得ない状態になっていました。
診断医とも相談し、日常的な投薬治療は抗うつ薬になることから、精神科医に引き続き行ってもらい、疼痛に関する投薬変更が必要な場合は連携していただくことになりました。
ただ痛みがあまりに強いことから、ペインクリニックでの緩和治療も受けることにしたのも、この頃です。
しかし、ここでまた私にハードルが出没します。
私は、麻酔薬キシロカインのアレルギーを持っています。
そうです、神経ブロックなどに使用されることが多い麻酔薬キシロカインです。私には痛みを和らげる麻酔薬が使えないのです。
愕然としましたが、担当医から疼痛治療薬の追加や鍼治療などの提案を受け、現在に至っています。
今では、痛みと強張りによって筋力も低下し、ペットボトルを開けることもできず、杖をつく手も痛みで使えなくなることがあります。時には、自分の髪すら洗えず、夫の手を借りることも多くなってきています。
痛みに耐えながら自力で通院すること、不調時の介護支援、高くなる一方の医療費…。どうにか行政の力を借りたいと思い、区の福祉課に問い合わせをしましたが、線維筋痛症は制度の谷間、ブラックボックスの病気だと知ることになりました。
患者数の多さから、指定難病にはならない。
医学的根拠がないから、身体障害者手帳の申請はできない。
介護保険の特定疾患対象外のため、介護サポートは受けられない。
(追記:大学病院のリウマチ専門医に紹介状を書いてもらい、先日受診したところ、身体障害者手帳申請の診断書が出ました。今は申請が通ればと願ってるところです。)
よって、今の私に必要なサポート・支援は、一切受けられない。
そんな現実でした。
それから間も無くして、今までにない程の痛みに見舞われました。
あと何十年も、助けもなくこの強くなる痛みと闘い続けるのかと思うと、いっそこの世から消えてしまいたいと思い、夫が帰ってくるまで泣き続けました。
あまりに激しい痛みが続く日は、悲観的になることもあります。
予後がよくても、命を絶つ人が多いと言われているのも理解できます。
それでも夫や友人、痛みを緩和するために悩んでくれる担当医の方々、同じ線維筋痛症患者さんの励ましがある。
健常者では気づけなかったバリアフリーの本質、ヘルプマークを見て助けてくれる方の気持ち、いろんな発見やつながりもできた。こうして自分の状態や気持ちを伝えることで、役に立てることがある。
辛いことと比較することは難しいけれど、温泉療法がいいと調べて連れていってくれたり、まったく役立たずでも大好きなキャンプに連れ出してくれたりする夫と、少しでも幸せに過ごせるなら、頑張って向き合い続けたい。
これから先、線維筋痛症という病気が、一人でも多くの人に理解されて、必要とする公的なサポートを受けられる世の中になることを願って、SNS等で発信し続けようと思います。
このように書く機会をいただき、ありがとうございました。
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